庭に木材を置くとシロアリを引き寄せてしまうのか?
- シロアリ駆除
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Researcher
- 田口 正訓
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研究員 2007年入社
埼玉営業所テクニカルチーム
大学では在来草本植物の研究に携わり、自然環境と生物の相互関係を学ぶ。 2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。数千件のシロアリ調査および駆除工事に従事。 休日も生き物や植物の写真撮影に勤しむ。
interviewシロアリは木材を食べる、そしてその木材は本来ならば雑木林の朽木、切り株、倒木等が該当するのですが、人が加工、利用する為の建材も対象になる。だからこそ、人にとってシロアリは害虫であり、駆除される存在として認知されています。しかし、シロアリが身近な場所に生息している事を認知されている方は少ないと思うのです。
シロアリ被害を受けた大抵のお客様は、「まさか私の家が…」という反応をされます。
被害がなくても、「庭の木材にシロアリがいました。」と報告すれば、「近くにいるのですね!」とビックリされます。
お庭に木材を置くと、知らない間に木材がボロボロになり、シロアリが住み着く事があります。
庭に木材を置くとシロアリを引き寄せてしまうのか?
結構気になると思うのです。
その答えですが、私の経験上から、語らせて下さい。
入社2年目で見た、庭の木材とシロアリの因果関係
私が入社して確か2年目の時だったと思います。築10年の戸建住宅を訪問したのですが、そのお客様は、ガーデニングがとても好きで、ウッドデッキ、ラティスなどのエクステリアにふんだんに木材が設置されていました。外周りをつぶさに点検したところ、ありとあらゆる場所でシロアリの活動が認められたので、内心「床下にシロアリが侵入しているかもしれない。」と思い床下点検を行ったのです。すると、防湿コンクリートの僅かなひび割れからシロアリが蟻道を構築中。被害が発生する、一歩手前の状態でした。
「ああ、やはり庭に木材が多いと、シロアリが侵入するのか。」と当時思いました。
シロアリが多く生息している地域は被害の確率が高くなる傾向
その後、一都七県、あちこちを回り戸建て住宅を訪問しましたが、建物の北側に屋敷林、あるいは裏山がある物件で度々被害を発見したり、丘陵地帯を造成して作られたニュータウンで駆除したりと、シロアリが元々多く生息していた地域では被害が多いと感じるように。
そう考えると、庭に木材を置く=シロアリが住み着く。
そして、被害の可能性が高くなるという事になります。
つい先日、駆除で訪問した物件でも、外の杭にシロアリの食害がありました。
傾向であり、必ずしも被害が発生する訳ではない
しかし、庭の木材がシロアリに喰われているのに、建物は被害なしという事も多いです。
その逆もあります。
都心のコンクリートジャングルや、庭に木材がない建物、鉄筋コンクリート造の建物でも被害が出ます。
この矛盾は何なのでしょうか?
その答えですが、私の推測に過ぎませんが、庭や近くに裏山がある場合は、まだ外部に餌木がありふれていて、家屋に侵入する必要がないからでしょう。庭に木材がない場合は、むしろ建物にしか木材がないので、そちらにシロアリが集中するとも解釈できます。
結論ですが、庭木や建物周りに木材を置くと、シロアリ被害の可能性は高くなる傾向ですが、一概には言えません。とはいえ、木材を放置すると、シロアリはもちろん、シロアリ以外の昆虫やムカデやクモ等の節足動物の住処になるので、虫嫌いな方にはおすすめしません。生き物との共生を目指す目的がなければ、お庭に木材を放置しないのが鉄則です。
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