集合住宅でシロアリが出たらどうする?集合住宅のシロアリ対策のポイント

  • シロアリ駆除

Researcher

研究者プロフィール
七海 里枝

研究員 2008年入社

管理課

大学では木材害虫および森林昆虫を専攻し、菌食性昆虫の生態研究を行う。 2008年テオリアハウスクリニックに新卒入社。 シロアリをテーマとした漫画を執筆し、(公社)日本しろあり対策協会の展示会に出展協力など、異色の経歴を持つ。

interview

住宅には様々な用途がありますが、日本ではアパートやマンションといった集合住宅の割合が年々増加しており、近年の調査では集合住宅がほぼ半数近くを占めるという結果が出ています。
一戸建ての建物と集合住宅では構造が大きく異なり、注意しなければならないポイントも異なります。この記事では集合住宅と戸建て住宅との違いや、被害発見時にまずすべきことなどを解説します。

集合住宅とは何か

集合住宅とは法律で規定された用語ではなく、主に不動産や建築業界において使われる、一つの建物に複数の世帯が居住できる建物の総称です。建築基準法では「共同住宅」と「長屋」にあたります。

複数世帯が居住できる住宅いろいろ(青いドアが屋外へ通じる玄関)

共同住宅

一般的にアパート・マンションと言われている建物で、一つの建物に複数の住居があり、廊下・階段などの共用部を有している住宅を共同住宅といいます。

長屋

複数の隣接する住戸が壁や床を共有する住宅です。共用部がほとんどなく屋外へ通じる玄関も別々であり、世帯ごとの独立性が高いのが特徴です。テラスハウスなどが該当します。

シェアハウス

近年その名称が広く知られるようになったシェアハウス(共同居住型賃貸住宅)は、建築基準法においては「寄宿舎」という扱いになります。キッチンなどの水回りやリビングを入居者が共有しているという点で共同住宅と異なります。一戸建ての空き家をシェアハウスとして活用する事例が近年多く見られています。

集合住宅の特徴

構造

シロアリ対策において、集合住宅の特徴で特筆すべきことは「世帯(部屋)ごとに床下が区切られている場合がある」という点です。築年数が浅い物件ではこうした構造の建物が多く、この場合は建物の床下全体を調査するためには各世帯ごとに点検口が必要になる可能性があります。また、床下全体の被害状況を調査する場合、調査日程の調整も1階の世帯の数だけ行なう必要があります。

入居者と建物の所有者が別々

多くの場合、実際にシロアリ被害に気づくのは入居者ですが、その後の対応については建物のオーナーや管理会社、場合によっては他の入居者や管理組合が関係し、戸建て住宅に比べてより複雑になります。

工事後の保証が発行できない・制限がつくことがある

戸建て住宅でシロアリ工事を行った後、問題なく床下全面施工が行えた場合は数年間の保証が発行されることが多いです。しかし、集合住宅では一世帯のみ工事を行っても建物全体の施工とは言い難いため保証が発行されないか、あるいは「他世帯から被害が発生した場合は保証の適応対象外」といった制限がつくケースが考えられます。

※構造上、一戸建てでも床下全面の施工が困難な場合は保証が発行されないことがあります。同様に、集合住宅でも床下が繋がっていて一度に全体を施工できれば、保証が発行される場合があります。

集合住宅のシロアリ対策のポイント

  • 床下が世帯(部屋)ごとに区切られていることがある
  • 床下に入る点検口を新設しなければならなくなることがある
  • 一部屋だけ対策をしても保証が発行されないことがある

入居者向け:シロアリ被害があったら

オーナーまたは管理会社に報告する

入居者の方がシロアリ被害を見つけた場合、早急にオーナー(または管理会社)に連絡することが重要です。被害が隣室など広範囲に及んでいる可能性もありますし、管理会社が提携している専門業者が存在する場合もあります。報告なしに自分で業者を手配し駆除工事を行なうとトラブルの原因となります。

オーナー・管理会社向け:シロアリ被害があったと報告があったら

専門業者に連絡し調査を依頼する

過去に防蟻工事を行ったことがあれば、その業者に連絡します。防蟻保証が発行されている場合、保証が適応される可能性があります。入居者との日程調整を誰が行なうかはオーナー・管理会社・業者間で検討する必要があります。

費用は誰が負担するのか

集合住宅でシロアリの被害が発生した際の費用を誰が負担するかについては、被害箇所(共用部分か専有部分か)など状況によって様々なケースがあり一概には言えませんが、賃貸物件ではオーナー負担となることが多いようです。

多くはないケースだと思いますが、たとえば「入居者が持ち込んだ植木鉢の中にシロアリがいて、明らかにそこから被害が発生した」といった、入居者の過失によってシロアリ被害が発生したことが明白な場合は入居者の負担となる可能性があります。また、契約時の書類にシロアリ被害発生時の費用負担に関する記載がある場合はそれに準拠します。

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