浴室リフォームはシロアリ防除に最適なタイミングです

  • シロアリ駆除

Researcher

研究者プロフィール
田口 正訓

研究員 2007年入社

埼玉営業所テクニカルチーム

大学では在来草本植物の研究に携わり、自然環境と生物の相互関係を学ぶ。 2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。数千件のシロアリ調査および駆除工事に従事。 休日も生き物や植物の写真撮影に勤しむ。

interview

こんにちは!シロアリ専科の田口です。

いよいよ春本番。そして春本番といえば、例のアレが発生する時期。

例のアレとは…、そう、ヤマトシロアリの羽アリです。

ヤマトシロアリの羽アリは、関東地方では、早ければ毎年4月下旬頃、通常は5月の大型連休前後に発生します。

ところが、今年の3月はかなりの高温だったので、発生時期が早まるのでは…?

そう思っていた矢先、4月8日に、羽アリ発生の知らせが…。懸念していた事が的中しました。

この仕事を続けて現在15年以上になりますが、4月上旬に羽アリ発生の一報は今まで聞いたことがないです。気候変動の影響は現在、世界規模で報告されていますが、シロアリ業界も無縁とはいかないようです。

そういえば、4月に入って早くもツツジ、ボタン、フジが開花して、見頃になってきました。私は昆虫だけでなく、花や植物も好きなのですが、花暦も羽アリ発生の時期を知るひとつの目安になります。ツツジ、ボタン、フジが開花する頃は、ヤマトシロアリの羽アリが発生し始める頃です。そして、初夏になり、カキツバタやアジサイの花が開花する頃には、羽アリ発生の連絡はほとんどなくなるのです。

さて、そんな羽アリですが、戸建て住宅で発生しやすい場所があります。

その場所とは…、在来浴室です。

在来浴室に生息しているシロアリの一部が、新天地を求めて羽アリとなり、浴室壁面や、入口付近から発生するのです。

在来浴室は最もシロアリ被害に遭いやすい場所

では、在来浴室はなぜ、シロアリの被害が多いのでしょうか?

その答えは、湿気が多いからです。

浴室は入浴時や清掃時に大量の水、お湯を使用します。それもほぼ毎日。

在来浴室はタイルで覆われていますので、一見、使用した水やお湯は全てタイルを伝って、排水溝に流れているように見えますが、実はタイル目地から徐々に水分が浸透しています。

また、築年数が経過するほど、地震や経年劣化で、タイルが欠けてきたり、壁面や浴室入口ドアのシーリング材が欠損したりして、さらに床下に水分が浸透していきます。

そうした状態が継続していると、湿気を好むシロアリが地下を経由して床下に侵入、浴室壁内の柱、床下の土台を食害していきます。更に進行すると、浴室入口の額縁、幅木等、室内側にも被害が出てきます。

「あれ?浴室入口の敷居がふかふかする、手で触ると木が崩れた…。」

そんな状態になって、初めてシロアリの被害に気づくわけです。また、前述した通り、羽アリの発生を目撃して、被害に気づくケースも多いです。

在来浴室の完璧な駆除は難しい

在来浴室のシロアリ駆除ですが、正直申し上げますと、100%被害を食い止めるのは難しいです。

「えっ、プロなんだから完全に止められるでしょ。プロが難しいなんて言っていいの?」

お客様から、こんな声も聞こえてきそうです。

在来浴室の駆除がなぜ難しいのか、お伝えします。

駆除の方法ですが、まず、浴室のタイル目地にインパクトドライバーで直径3ミリ程の小さな穴を開け、専用のノズルをホースに装着して薬剤を注入します。また、被害が顕著な場合や、何度も羽アリが発生している場合は、壁面だけでなく、地面側のタイル目地にも穴を開け、薬剤を注入する事もあります。浴室入口付近に木材が使用されている場合は、そちらにも穴を開け、薬剤を注入していきます。

穴を開ける前に、タイル目地を打診したり、壁面の柱の位置を予測したりしますが、透視出来ないのが実情です。また、配線、配管の位置によっては漏電や配管損傷のリスクがあるため、タイル目地に穴を開けられない事もあります。

浴室壁面に薬剤を注入

出来る限りの駆除処理を行いますが、施工した後、例えば駆除した翌年に、浴室から羽アリが再発する事があります。正直な話、私も何度か、再発を経験しました。

「えっ、駆除したはずなのに、また羽アリ⁉駆除した意味がないよ!」

過去に、私が担当したお客様の中には、このように思われた方もいらっしゃったかもしれません…。

再発に対応する為、施工日から5年間、無償再施工保証がついてきます。万が一、羽アリが発生しても、保証期間内であれば、無料にて再施工しますので、その点はご安心してください。しかし、施工した側の本音は、時間の面や、心理的にお客様にご迷惑をおかけしていますし、完璧に駆除出来なかったと思うと、やはりプロとして悔しいですよね。

在来浴室の完璧な駆除を実現する、最良の方法

では、どうしたら、在来浴室の完璧な駆除が実現するのでしょうか?

在来浴室からユニットバスにリフォーム、これこそが最良の方法です。浴室をリフォームすると、壁を開口、解体するので、シロアリの被害の真相が見えてくきます。この時に施工すれば、本来見えない壁の中、間柱、土台の裏側等に直接、薬剤処理が出来るので、完璧な防除施工が出来るわけです。

浴室の壁面を解体すると、被害の真相が見えてきた。
被害を受けた土台に直接、薬剤処理する事ができます。

費用は確かにかかります。ですが、在来浴室からユニットバスにリフォームすれば、完璧な施工が出来るだけでなく、施工後に水分が床下に浸透する事がなくなりますので、その効果は絶大です!

在来浴室からユニットバスにリフォームした物件に、これまで何度も潜ってきましたが、いずれも、床下が乾燥しており、新たなシロアリの被害は確認されませんでした。

近年、工務店さんや大工さんの間でも周知されてきたようで、浴室リフォーム中に施工依頼をいただく事が増えたのがありがたい限りです。また、弊社で施工されたお客様で、在来浴室からユニットバスにリフォームする際、事前に工程をご連絡いただければ、その日に合わせて、無償で浴室の再施工に伺っております。

在来浴室で一度、シロアリの被害に遭われた場合は、ユニットバスへのリフォームを強くお勧め致します。

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