もしもの時に役に立つ!羽アリが出てきたらすべきこと
- シロアリ駆除
- 羽アリ
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Researcher
- 七海 里枝
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研究員 2008年入社
管理課
大学では木材害虫および森林昆虫を専攻し、菌食性昆虫の生態研究を行う。 2008年テオリアハウスクリニックに新卒入社。 シロアリをテーマとした漫画を執筆し、(公社)日本しろあり対策協会の展示会に出展協力など、異色の経歴を持つ。
interview毎年、シロアリの羽アリが発生する5月ごろになると、羽アリが今まさに発生している状態で半ばパニックになっている方からのお電話を頂くことがあります。
ある程度生態を知っている者としては、そもそもその羽アリはシロアリなのか、それとも黒アリの羽アリなのかが気になるところですが、実際羽アリが出ている場面に直面したら虫の種類を調べている余裕はないでしょう。出ている場所が室内であればなおさらです。
羽アリを見つけたらどうするべきか
このコラムを読んでいる今この瞬間室内に羽アリが発生していて、とにかく急いで対処方法を知りたい方のために画像一枚でまとめたのがこちらになります。
①掃除機で吸い込む
おそらく一番手っ取り早い対処法です。吸い込まれた羽アリは掃除機の圧力で死んでしまいます。ある程度吸ったら掃除機の紙パックを交換します。
②ビニール袋をかぶせる
発生場所がわかっているのであれば、この対処法をとることもできます。
袋の中にある程度羽アリが溜まったら外して別の袋を被せます。羽アリが入った袋は口を縛って可燃ゴミに出します。脱出が心配であれば袋の中に向かってスプレータイプの殺虫剤を使用してください。
羽アリも無限に発生するわけではないので、こういった方法で出てくる羽アリの対処を行なっている間に少しずつ数が減っていくと思います。
落ち着いてきたら羽アリの死骸をいくつか保存しておき、シロアリの羽アリなのか黒アリの羽アリなのかじっくり調べてみます。わからない場合は羽アリそのものを専門業者に郵送するとよいでしょう。その後どうするべきかの回答も得られます。
なぜ発生場所に殺虫剤を噴射してはいけないのか
羽アリが室内に発生している場合、スプレー式の殺虫剤を羽アリが発生している場所に向けて使うのは避けることが大切です。
一見すると最も効果的に思えますが、なぜ避けなければいけないのでしょうか。それは、スプレー式殺虫剤に使用されている薬剤の多くが「忌避性(きひせい)」を持っているからです。
忌避性とは、対象の生き物がその成分を避ける性質のことです。市販されている殺虫剤のうち、網戸などにスプレーして虫を寄せ付けないタイプの製品は忌避性のある薬剤を使用し、毒餌剤など虫に食べてもらって効果が出るような製品は忌避性のない薬剤を使用しています。
忌避性のある薬剤を使った場合、シロアリにしろ黒アリにしろ、薬剤が散布された場所から逃げるように移動します。ですので一旦は羽アリの発生が収まったようにみえるかもしれません。
しかし羽アリの発生自体が止まるわけではなく、別の場所を見つけて出てくるようになります。
空中に飛び回っている羽アリに使ったり、その場にいる羽アリを一時的に駆除できればよい、ということであれば殺虫剤を使用しても良いかもしれません。
しかし、もしその羽アリがシロアリだった場合、そして後々で駆除工事を検討する場合は、家のあちらこちらに散ってしまった状態よりも、羽アリが発生したその場所にシロアリが集中している方がより効果的に駆除を行うことができます。
屋外で羽アリが発生している場合
屋外で羽アリが発生するのは自然なことなので、多くの場合は特に注意しなければならないことはありません。
シロアリの羽アリ
ヤマトシロアリやイエシロアリの場合、屋外で羽アリが発生して空を飛び回っていたとしても、建物に被害を与えるときは一旦地面に潜って床下から入ってくるルートを取ります。
建物に予防対策が取られていれば過度に恐れる必要はありません。
ただし例外として、アメリカカンザイシロアリというシロアリの場合は床下ではなく軒などから侵入することが可能です。このシロアリは生息エリアが局所的で、かつヤマトシロアリやイエシロアリとは羽アリの発生時期がやや異なるので区別することができます。
アリの羽アリ
大抵の黒アリの羽アリは屋外で発生します。
室内で黒アリの羽アリが見つかった場合でも、屋外で発生している羽アリが、夜間に家の照明に誘引されて網戸や換気扇の隙間から侵入してしまうケースが多いです。
その場合は光がもれないようにするなどして羽アリを誘引しない工夫が必要になってきます。
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