シロアリ確保のため、採取をお願いした結果が意外すぎた

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Researcher

研究者プロフィール
田中 勇史

研究室長 2007年入社

シロアリ業務技術開発課専任課長

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。 これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。 大学の海外調査にも協力。

interview

皆さんは、「シロアリを採ってきて」という言葉を人生の中で何度聞くことがあるのだろうか?

おそらくは、「一度も聞くことなんてないよ」って方がほとんどじゃないかなと思います。

最近では、シロアリはペットの餌になるからと山へ採りに行く方の話をSNS上で見ることもなくはないけれど、そんなのはほんとにレアパターンの一つですよね。

ですが、普段からシロアリを扱っている私達にはそれは日常の光景で、毎年シロアリの活動が盛んとなる5月辺りからは「シロアリ居たら採ってきて」というやりとりが頻繁に交わされるようになります。

去年もちょうど同じような時期にお願いをしたのですが、その時ちょっとしたトラブルもあったりして。

このやりとりと言いますか、やっぱり言葉の伝え方って難しいんだねというとある失敗談を今回お話ししたいと思います。

いったいなんて伝えたの?

私は、当初薬剤試験に使用するためのシロアリを確保したくて社員の方にお願いをしたんです。

「試験に使用するシロアリが不足しているので、なるべくシロアリが沢山入っていそうな被害のある木材があったら持ってきてほしい」と。

一見すると特に問題のある文言には感じられないのですが、ここに一つ入れておかないといけない言葉が実はあったんですよ。

すっかりその時の私は忘れておりまして. . .

「取り出しやすい」…これっ、この言葉がなかったために私はこの後非常に苦労することになるのです。 

こんなにも苦労することになるとは. . .

伝え方を間違えてしまったゆえの末路…いったいどんな形でシロアリが届いたのか実際にみてみましょう。 

ケース1

これを最初見た時は驚きましたよ。

まず、そもそも分解できるのかってね!

結論→「まぁ無理だよね」ってことであえなく撃沈…

明らかに中食ってないもんね。

ケース2

続いてこちら

隙間からシロアリが顔を出してたんで、いけるかと思いきや別の問題が!

割れない. . . 悲 

しかたがないねぇ、ノミを使って力ずくで割ろうとしたその時. . .

シロアリがアリに化けたよ 笑 

ノミを突っ込んだところからワラワラとアリが湧いてきた。

ケース3

続いて届いたのは、これは紛れもない石膏ボードだよね。

すぐ頭をよぎったこの言葉. . .

「うん、いないね」

石膏ボードだと住み着くことがないから、単なる通り道で利用されていることが多いんです。

ね、中は何にもないでしょ。

ケース4

話ではシロアリが居たと言うけど…  ち〜ん。

これも硬ぇ~

ただ伝えるだけではダメでした. . .

そんなこんなで、結局のところシロアリは正直ほとんど確保できなかったんだよね 笑

伝え方って難しいなぁ。

まぁ、いろいろとやってみた結果はそんなに甘くはないってことがよく分かりました。

反省してます。

あの頼み方は確かにまずかった… だからもうねぇ、今年はちゃんと伝えましたよ!

「木材から取り出しやすいものでお願いします」

完璧じゃないか。

そして、待望の今年一発目のシロアリが届きました!

では、見てみましょう。

硬ぇ〜…

 ということでね、今年も頑張って採集しようっと。

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