日本しろあり対策協会の資格更新講習で初講師!貴重な経験と学びの一日

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Researcher

研究者プロフィール
田中 勇史

研究室長 2007年入社

シロアリ業務技術開発課専任課長

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。 これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。 大学の海外調査にも協力。

interview

今回は何を話そうかと考えていた時に、私が普段行っている業務のちょっとした紹介をしてみるのもい悪くないかもと思い、筆を執りました。

いろいろとあるんですけど、その中でも今回はシロアリ防除に特に関わりの強い協会業務のお話を一つしようと思います。

所属協会のお話

日本の防除業界を支えている協会には日本しろあり対策協会と日本木材保存協会、この2本柱がある中で私の所属は日本しろあり対策協会になります。

日本しろあり対策協会というのは簡単に言うと、建物等をシロアリと木材腐朽から守ることで長期的な耐久性と安全性を両立させましょうというもの。

それに加えて木材の有効活用の在り方を模索することも大事な業務です。

活動紹介

ただ例えば、シロアリを防除する時に当てずっぽうに薬剤を処理しても意味がないのは皆さんもすでにご承知のことですよね。

じゃあどうやってやるんですかということで、人は必ず何か基準となるものがほしいもの。

そこで、日本しろあり対策協会では協会の中に幾つかの委員会を作って、いろんな基準の設定や資格の取得もそうですし、協会で使用する薬剤は「これ」といった認定薬剤というものを指定したりとほんとたくさんの活動がされているんですよ。

所属する委員会の紹介

防除技術委員会

現在私が活動する委員会はこちらですね。

ここでどういった活動してるのってとこですが、皆さんは標準仕様書というものをご存知でしょうか。

簡単に言うと、どうやって対策を取ったら効果的に建物をシロアリから守れるのかという一つの基準を作っているわけですね。

他にも防蟻に使用する材料が適正かを調べたり、登録なんかもやってたりします。

あとは、年毎にいろいろと仕様書等にも変更点が出てきたり、変化していく防除業に合わせて変えていかなければいけない部分も当然出てきますので、協議の上で改訂していくことも大きな活動の一つかと思います。

それから、もう一つ資格取得講習会の講師としての活動もあったりしますね。

初講師に挑戦してみた結果、いろいろあり過ぎた!

毎年あるのですが、今年も資格更新のためのしろあり防除施工士講習会が開催されまして、東京会場での講師をやらせていただく機会をありがたいことに頂けましたので、ちょっとそこの話しをしようかなと思います。

ただ正直な心境としては、最初しろあり防除士の講師を私がやるって大丈夫なのかと思いはしましたよ。

だって、今でこそYoutubeやらいろんなところで話をしたりする機会も増えはしました、確かにね。

じゃあもう好きなようにベラベラ喋れるのって言われたら. . .まぁ無理なんですよ。

めっちゃ緊張する。

元が話すのが苦手だからっていうのもあるんですけど、どうやったらこういう緊張ってしなくなるんだろうか。

でも実際結構な場数を踏んできたつもりではあったんで、自分の実力をちょっと試してみたい気持ちが芽生えてるのも事実なんですよ。

と、こんな感情が交錯する中で今年もそんな季節がやってきたわけです。

昨年はというと、ちょうど私の都合が全く合わず始めから断念せざるを得なかったのは、挑戦したい気持ちもあったからこそちょっと悔しかったですね。

そこで今年は早い段階から予定を調整して、また社外業務に力を注ぐことも年頭にあったことから、もう話が出た際には積極的に私がやるって決めてました。

今回の会場は、私がしろあり防除施工士の資格を取得した時と同じ飯田橋レインボービルでした。

もうかれこれ15年以上前の話しなので、何となくしか覚えてなかったんですけど、建物に入ると雰囲気変わらず、「あぁ、こんな感じだったなぁ」ってなんとも懐かしい気分になったのを覚えてます。

以前は結構広い部屋だった印象があったんですけどね。

最近はオンラインでの受講も可能となっている関係から割とこじんまりとした空間の部屋で、私としては受講者の方との距離が近かったのが逆に落ち着けました。

控室での何気ない一コマに救われる

講義が始まるまでは控室で待機していましたけど、なんか待ってる時間でソワソワしませんか。

ふわふわっと頭の中が落ち着かない雰囲気が私は嫌いで、自分で簡単にできる緊張のほぐし方があったらほんと教えてほしいくらいですよ。

でも今回担当の女性の方が、ふと私が何気なく行きに購入していた(全く珍しい水だって気づかず購入してた)近くの大学が共同で作ったという水にふれてくれたんです。

「どこで売ってたんですか?」「帰りに買っていこう」といった何気ない会話がその時の私には神に思えました。

講師として舞台に立った日、そうそうにやらかす. . .

講義が始まってしまえばと何となく思っていた私ですが、始まってからもこれまた一苦労な場面があったんですよね。

参加者は少なくなったとはいえ70名程の方にお集まり頂いていて、もう少しラフな感じにできるかなぁと勝手に思っていた私に皆さんの視線が突き刺さりました。

もう、皆さん目が真剣! 思わず手が震えましたよ。

また序盤で「あっ!これ失敗した」と感じたのが時間配分。

当初、ペース配分を間違わないように話す内容にチェックを入れていたんですけどね、ちょっと経ってからストップウォッチを入れてなかったことに気づき、内心激焦りでした。

自分ではバレないように状況を整えてたつもりですが、ソワソワ、話が途切れ気味になったりと周りから見たらバレバレだったかも。

結局、完全には修正できず後半15分は「自分でも分かってるよ、でも間に合わないから」って思うほど巻き巻きになってしまって、とても申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

波乱続き. . .でもなかった? 得たものもそれなりに大きかったよ!

少々のトラブルはあったものの、なんとか講義を終えることができちょっと落ち込み気味で控室に戻ると担当の方も「難しいですよね」と暖かく迎えてくださったのが嬉しかったです。

また何よりも会場を後にする際に、嬉しい出来事がありました。

全く予期してなかったんですが、声をかけてくださった方がいたんです。

その方は、なんと以前この防除施工士の講師を務められたことがあったということで、色々と話しをしている中で「話し方がとっても上手ですね」と言われた時は本当に嬉しかったですね。

法律の改正等で「伝えないといけない、話しておかないと」という内容が多いのに時間は限られているから、「ここはいいか、でも話したいという葛藤が凄いあるんですよ」と共感できる話もいっぱいできて良かったです。

今回、初めて技術委員としてしろあり防除施工士講習会の講師を努めさせていただいたわけですが、トラブルはあったものの「話すことの難しさと楽しさを同時に感じることができたのは新鮮な経験ですし、いろんな方と話をする中で特に分かりやすく相手に伝えることの大切さを改めて学ばせていただいたなぁと強く実感しました。

今回の経験をきっかけに、もっと人前で話すスキルを磨きたいと思います。改めて、貴重な機会をいただけたことに感謝です!

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