床下点検を依頼するときに事前にしておくと良いこと

  • シロアリ駆除

Researcher

研究者プロフィール
七海 里枝

研究員 2008年入社

管理課

大学では木材害虫および森林昆虫を専攻し、菌食性昆虫の生態研究を行う。 2008年テオリアハウスクリニックに新卒入社。 シロアリをテーマとした漫画を執筆し、(公社)日本しろあり対策協会の展示会に出展協力など、異色の経歴を持つ。

interview

建物のメンテナンスをする上で、定期的な床下点検を実施することはとても大切です。しかし実際に自宅の床下点検を依頼をしたことがある人は、比較的少ないのかもしれません。少なくともご自身の健康診断や車検を依頼したことがある人よりは稀でしょう。

稀だからこそ、いざ業者に依頼したときに何をすればよいのか、何を準備したら良いのかを推測するのは難しいと思います。この記事は、これから床下点検を依頼する、あるいは既に依頼をしたあと「さて、業者が来る日までに何をすればいいだろう」と思った方向けの記事です。

これだけやっておけばOK

①家の図面を探しておく

点検員は床下に入った後、どこに被害があるか、どのようなルートを通れば床下をスムーズに行き来できるかなどを用紙に記入していきます。工事をする際はその情報を元に作業をするわけですが、図面がない場合、現地到着後に建物の見取り図を作成するところからスタートになります。もし点検を始める前に建物の図面を確認できれば、より正確に、効率的に被害箇所やルートを記録することができます。

用意する図面の種類については、もし基礎伏図(きそぶせず。床下の基礎の配置などが記載された図面)をお持ちであれば点検員はきっと諸手を挙げて喜ぶことでしょう。もちろん基礎伏図が必須というわけではなく、床上の図面(平面図)や間取り図だけでも十分な資料になります。

②点検員が床下に入る場所を確認しておく

点検員が床下に入る方法は
①床下点検口から入る
②床下収納庫から入る 
の2パターンが主なルートになります。お家によっては、建物の側面に床下進入口が設置されていて、外から床下に入ることができる場合もありますね。

収納庫はキッチンに作られている場合が多く、点検口は洗面所や階段下収納庫や寝室など建物によって様々です。私の実家もキッチンに床下収納庫がありました。
しかし、床下収納庫はその名の通り小さな物置のようなもの。そこからどうやって床下に入るのか疑問に思うかもしれません。実は床下収納庫の収納スペースは外すことが可能なのです。収納スペースを外すと床下に通じる点検口として利用できます。(スライド式収納庫の場合は横の空間に移動することで床下に入ることができます。)

「どこから床下に入って点検するのか」を知っておくと当日のイメージがぐっとしやすくなり、心の準備もできるのではないでしょうか。

こんな時はどうやって点検するの?

①点検口も収納庫もない建物の場合
1階に和室があれば、畳を上げて下の板を丸鋸で切って簡易的な点検口を作成することができます。切る時は床下の木材に板がちょうどかかるような場所を切り、点検後はふたをするように板を戻します。

②収納庫も点検口も和室もない場合
和室もなく、現時点で床下に入る手段がない建物の場合、建物外周の通気口から床下の様子を確認します。ですが通気口から見えるのは床下のほんの一部、しかも部材を触って確かめることもできません。シロアリの兆候を調べるのであれば、やはり床下に入って点検をしてもらうほうがより確実です。

有償で点検口作成を依頼し、その後で点検をしてもらう方法もあります。費用はかかってしまいますが、配管の漏水などがあった場合など、シロアリ以外の床下の設備についてもメンテナンスがしやすくなるというメリットもあります。

以下の一手間でより点検がスピーディーに。

■収納庫の中の物を出しておく

もし床下に入るルートが収納庫だった場合、収納庫を床上に上げるために、中に入っている物を一旦出す必要があります。点検員が来る前に中の物を出しておくと点検がよりスムーズに進むでしょう。

■可能であれば収納庫(点検口)の上の物をどけておく

床下に入るルートの見当がついたら、その上に軽いものが乗っていたらあらかじめ移動しておくのも良いでしょう。ですが無理は禁物。もしベッドやタンスのような大きな家具や重いものが載っている場合は、先に業者に伝えておくだけで十分です。事前にわかっていれば、訪問するスタッフを増員するなどの準備が可能になります。

羽アリが発生していた場合

■羽アリが出ていた場所に殺虫剤を使わないでおく

もし羽アリの発生が理由で点検を依頼した場合、点検日が来る前に再び羽アリが出てしまうこともあります。注意していただきたいのが、その時に羽アリに向けて殺虫剤を使用しないことです。使用してはいけない理由や羽アリが出たときの対処については、過去に書いた以下の記事で詳しく説明しています。

■出ていた羽アリを取っておく

また、発生していた羽アリ(死骸でもOK)は保管しておき、当日点検員に確認してもらうと良いでしょう。一匹だけでも問題ありません。羽アリを見ればどの種類のシロアリなのか、あるいはシロアリではない羽アリなのか判別することが可能ですので、点検員にとっては貴重なサンプルとなります。

その他(室内にペットがいる場合)

■室内のワンちゃんや猫ちゃんは点検口のないお部屋に

点検をしているあいだ、基本的に点検口は開けたままになるのですが、ごく稀に室内飼いのペット(猫ちゃんが多い)が点検口から床下に入ってしまうというアクシデントが発生します。一度床下に入ってしまうと、匍匐前進で動く人間が俊敏な猫ちゃんを捕まえるのはほぼ不可能に近く、猫が床上へ出てくるのを祈るしかなくなってしまいます。こういった事が起こらないよう、室内飼いのペットがいる場合は念のため別のお部屋に移動してもらうと良いでしょう。

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