害虫防除の立場から伝えたい
「自然との共生」という
メッセージ
- 田口 正訓
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研究員
2007年入社
埼玉営業所テクニカルチーム
大学では在来草本植物の研究に携わり、自然環境と生物の相互関係を学ぶ。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。数千件のシロアリ調査および駆除工事に従事。休日も生き物や植物の写真撮影に勤しむ。
Interview
インタビュー
これまでのこと
幼い頃の愛読書は生物図鑑で、動植物全般が大好きな子供でした。興味の赴くまま、大学では環境化学を専攻し、希少性の高い在来草本(ナデシコやキキョウ)の生育地保全について研究していました。研究テーマは植物でしたが、シロアリ=虫という対象も非常に興味深く感じており、結果的に自分の知識を活かせる職業としてシロアリ防除を仕事にしようと決めました。
入社後は営業を7年ほど経験したのち、現在まで施工を担当しています。過去数千件に及ぶ施工経験の中で最も印象的だったのは、1階の床面積が100㎡を超える戸建て住宅です。山奥に位置し、数年間空き家状態であったため被害も深刻で、和室の全部屋でシロアリの被害が見つかりました。点検口がなく、畳を上げての状況確認に半日かかり、さらに駆除にも半日を要し、忘れ難い経験になりました。
現在のこと
事前に知識を蓄えていたとしても、実際の現場ではイレギュラーな事態も多々発生します。例えば、シロアリは一般的に床下や湿気の多い場所に巣を作るイメージがありますが、雨漏りなどの影響で2階部分が湿っていると、容易に2階まで侵食されてしまいます。こうした現場から伝える実録記事が、何よりの注意喚起になるのではないかと思います。
苦労も多い仕事ですが、やはり一番嬉しいのはお客さまから感謝の言葉をいただける瞬間です。いつも心がけているのは「丁寧に、わかりやすくご説明する」ということ。専門性が高い業種であるからこそ、誠実に対応しなければお客様の信頼を得ることはできません。そして結果として「次回もあなたにお願いするわ」などとお声がけいただけると、この上ない喜びを感じます。
伝えたいメッセージ
私が一番伝えたいのは、ずっと抱いてきた「自然との共生」というメッセージです。単純に害虫とされるシロアリですが、本来は自然界の大きな循環の中で「木を土に還す」という大切な役割を担っています。私は駆除する側の人間ですが、地球の長い歴史の中で育まれたシロアリの役割には敬意を払いたいですし、「気持ち悪い」という感情論で必要以上の駆除を行うことはできるだけ避けたいと願っています。そのためには、お客様のみならず広く社会に対して正しい情報を発信し、より良い共生の道を示さなければならないと思います。
今も休みの日にはカメラを持って山へ海へと足繁く通うほど、自然を愛する心は幼い頃から変わっていません。そんな私だからこそ伝えられるメッセージを、白蟻専科を通じてポジティブに届けていきたいです!